心不全の症状が出る
昨年12月、心不全になりました。
仕事中、めまいと吐き気、胸の痛みに襲われて意識が飛びかけました。
これはガチめにヤバいやつだと思い
取引先からなんとか会社に戻り、体調不良を伝え帰宅…
自宅に戻り妻とともに病院に向かいました。
11月に受けた健康診断で、心電図にて異常がみられていたことと(胸部聴診にて心雑音、心電図にて左室肥大、異常Q波、平低T波等)
心不全になる数日前からチクチクするような誰かに心臓を掴まれているようななんとも言えない胸の痛みもあり、
「原因は心臓だな」となり循環器内科の病院へ直行となりました。
心臓弁膜症と診断される
病院にて、胸部X線検査、心電図、血液検査、心エコー検査などをした結果
心臓弁膜症と診断されました。
「心臓弁膜症」とは、心臓にある4つの弁のどこかに異常が起こり、通常の弁の働きができなくなっている状態のことを指すそうです。
弁の開きが悪くなり出口が狭くなる「狭窄」、弁がしっかりと閉じなくなり血液が逆流してしまう「閉鎖不全」があり、僕は心臓の左心室から大動脈へつながるところの大動脈弁が閉鎖不全を起こしていたことで心不全の症状が出ていたようです。
症状も重いことから、すぐさま総合病院で再検査することになりました。
造影剤を入れてのCT検査や経食道心エコー図検査(胃カメラみたいなやつ)を受け
改めて心臓弁膜症の大動脈弁閉鎖不全症との診断を受けました。
弁の閉鎖不全がひどく、重症とのことで早めの手術を要するとのことでした。
このとき初めて知ったのですが、僕は先天性心疾患があったようで、生まれつき大動脈の弁が二尖弁であったことがわかりました。
本来、1つの弁は3枚のひらひらからなっているそうなんですが、生まれつきこのひらひらが2枚しかない人が稀にいるそうです。(100人に1人くらい?)
これが「先天性二尖弁」という先天性の心疾患らしく、この疾患を持っている方は弁の「狭窄」、「閉鎖不全」等が進行しやすいとのことです。
通常は加齢とともに症状が進行することが多いようですが、何らかの原因で若年層でも症状が悪化することがあるそうです。
入院と手術について
症状が強く出ていることと、弁の閉鎖不全が重症(血液の逆流がひどい)とのことで外科手術が必要であることの説明を受けました。
大動脈弁閉鎖不全症の治療には外科的手術が適用されますが、手術の方法として人工弁置換術と弁形成術を提示されました。
- 人工弁置換術… 人工弁には、機械弁と生体弁があります。この人工弁を既存の壊れている弁と置き替える方法です。
機械弁はチタン製やカーボン製の人工弁です。長所は耐久性で、半永久的に取り替え不要とのことです。一方で難点は血栓が付着しやすいことです。血栓が付着すると弁が開かなくなり死亡原因となるので、緊急手術が必要になります。機械弁の術後は、血栓予防のためワーファリン(血液を固まりにくくする薬)を一生涯服用しないといけません。食べ物などにも一部気をつけなければならないものが出てきます。
生体弁は豚の大動脈弁や牛の心膜で作った人工弁で、長所は血栓が付着しにくく血栓予防のワーファリンが必要なのは短期間だけです。一方で耐用年数は短く、再手術が必要になることがあるとのこと。
- 弁形成術… 元々の壊れている自分の弁の一部のみを縫合したり切開するなどして修復し機能不全を改善する方法です。
長所としては、人工弁と違い血栓ができにくいので血栓予防のワーファリンを飲む必要はありません。一方でデメリットとして再発の可能性が残ってしまうということです。
僕はまだ30代ということで、今後の生活を考えて弁形成術で行うことをすすめられました。
入院日と手術日を決め、それまで自宅で療養することになりました。
症状の悪化
手術予定日まで1ヶ月弱、仕事は休職させていただき自宅にて療養となりました。
何度か心不全の症状が出る日が続き、日を追うごとに徐々に悪くなっているのがわかりました。
調子の悪いときはほぼ寝たきり状態となり、ほとんど動けない日も…
心不全の症状が多く出るようになっていき、予定より早めに入院となり、予定よりも早く手術することになりました。入院してまもなく、ほぼ自分で歩くことができず車椅子での移動が増えていました。
心臓を強制的に動かす薬?を点滴され、手術日まで体調を維持する日々でした。
僕の感じた心不全の症状について
- レベル1…初期の段階では、食欲不振、咳、めまい、胸の違和感等の症状がありました。しかしこれらの症状は風邪を引いたときなどの症状にも似ているため、初期の段階では自分が心不全になっているなんてほとんどの人は気づかないと思います。食欲もいつもないわけではなく、食べれるときもあれば食べれないというときもあるという感じでした。横になると乾いた咳が出ることが増えていましたが「風邪でもひいたかな」と簡単に考えてしまいました。身体を横にしたとき(寝るときなど)のみに咳が出るのが特徴で、身体が横になり血液が心臓の方に集まってくることで起こるそうです。
- レベル2…息切れ、胸痛、動悸等の症状がでてきました。身体が重く、だるい感じで階段や速歩きなど少し負荷の高い動きをすると息切れがありました。また、ふとした時に胸が痛い、動悸がするなど、明らかに身体に異常がでてきました。
- レベル3…さらに症状が重くなり、空気を吸っても吸っても息苦しい呼吸困難のような症状がでました。僕は症状に出ませんでしたが、心不全の症状として、足のむくみ、肺に水がたまる等の状態になると危険な状態のようです。
心不全はこれらの症状を繰り返し、徐々に進行していくとのこと。
症状や進行具合は個人差があるようなのでなんとも言えませんが、心不全の方はいくつか共通する部分があると思います。
手術後と現在
手術は無事に終わり、当初の予定通り弁形成術にて処置していただきました。
術後はリハビリがすぐ始まり、約10日(ICU(集中治療室)で1日、一般病棟で10日)ほどで退院となり、その後は自宅療養をしています。
手術前に感じていた息苦しさはなくなりましたが、無理して動くとめまいや少し気持ち悪いような感覚、身体にだるさなどの症状がでました。
病院の先生いわく、「まだ術後まもないので、心臓の機能が弱まっていて安定していない。徐々に回復してくるよ」とのこと。
術後、僕は血圧が低くなってしまってめまいがちょくちょくでていたのですが、日を追うごとに症状も弱くなり少しづつ活動量も増えてきたように感じるので、これから時間が経てばもう少し改善されるのかなと自分に期待しています。
心臓病になって死にかけて感じたこと
今思うのは、
生きててよかった
これにつきます。
入院中、家族とも面会ができず(面会制限がありました)に病室でただ横になっているしかできない自分がいてとても不安な日々を過ごしました。
いきなり心臓が動かなくなったらどうしよう、急に明日死ぬかもしれない…
自分が死んだらどうなるのか、子どもたちは大丈夫か、妻を一人にしてしまうのか…
手術したら身体は元に戻るのか、仕事は?お金は?今後生活していけるのか…
日に日に動けなくなっていく身体に恐怖を感じ、こんな考えばかりが頭をよぎってしまい少し精神状態がおかしかったかもしれません。
手術の前、妻と電話で話ました。
自分の考えていた心配事をすべて話ました。
妻から返ってきた言葉は「きっとなんとかなると思ってる」でした
体調も悪い、精神も崩壊寸前、この世の終わりみたいな顔をしていたと思いますが、僕の心を救ってくれた言葉でした。
きっと残されるほうの身のほうが不安は大きいはずなのに、妻のほうがしっかり前を見ていました。
妻の言う通り、手術はうまくいき自宅に帰ってくることができました。今はまだもとの生活と同じという状況ではありませんが、なんとかなっていますし
前向きに「これからどうするか」を考え、徐々に自分のできることを増やしていければいいなと思っています。
よければ自分がどんな人間か下記記事からみてってください